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幽霊話そのさん

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目が覚めると、俺は阿笠邸のベッドに横たわったまま天井を見上げていた。数回瞬きを繰り返し、やっと頭が石をつめたように重く、全身にだるさが満ちていることに気がついた。まるでずいぶん長く眠った後のようにだるい。規則的に落ちる点滴の音と、意思に反して起き上がれない身体は、ここが死後の世界なんかではなく現実であることを示していた。何より死んでからもこんな頭痛がするなんて反則だ。
さっきまで、ビルの屋上でKIDに会っていたことは夢だったのだろうか?というかなんでよりによってKIDの夢を見たんだ??
まさかとは思うが・・・よく聞く、臨死体験などの逸話でよく聞く、『幽体離脱』とやら、だろうか・・・
なんて非科学的な。いや、かたくなな科学信奉は持っていないつもりだが、それでも幽霊とかそういうオカルト系の話はどうしても受け付けないと言うかタネを探してしまうと言うか。けどよく言うよな、幽霊信じてなかった人が実際にそんな体験をして一気に信者になるとか。俺だって自分の意識を信じるべきか常識を信じるべきかの瀬戸際にいるっぽい。実際に体験しちまったらまあ信じるしかねーよな・・・じゃなくて!そりゃ、俺の人生で実際に体験したことの中でも幼児化したのが一番大きな衝撃だったとしても、今度は幽体離脱!しかも怪盗KIDに会ってた!いや、むしろ夢であってほしい!
うがーっと頭をかきむしりたいような衝動に襲われたが、実際にできたのはわずかに手を持ち上げることくらいだった。ちらりと見えた指先の大きさや距離から推定するに、俺は『工藤新一』の身体を取り戻したようだ。幻肢ではない。
それよりも思い通りに動かない身体に不安もよぎったが、今は満足に考えることすらできそうにもない。ゆっくりと息を吐く。
それでも、生きてる。
死んでなんかない。
あいつに、会える・・・
再び強い眠気に襲われ俺はもう一度目を閉じる。意識が沈む寸前に、灰原と阿笠博士の声を聞いた気がした。


*****


怪盗の衣装を脱いでしばし、黒羽快斗は隠れ家のひとつでじっと座り込んでいた。目の前のパソコンの画面が暗闇の中で光っている。時刻は8月1日の午前を回ったところ、さきほどまで信じられないことにかの名探偵工藤新一の『幽霊』と話をしていたのだ。と、思う。
そういうのも、工藤新一の死を受け止められる自信がなくて、理由をつけて確認していないからだ。考えてみればこちらからアクションを取らない限り、彼が死んでしまったことは確かめられない。解毒剤の副作用とか、そんな理由ならばなおさら。彼はおそらく工藤新一としても江戸川コナンとしても葬られないのではないだろうか。
キッドは頭を振った。未だに信じられない、幽霊でもいいから会いたい。
会いたい。

キッドの衣装を一つずつ脱いでいく。
人を傷つけることもできるトランプ銃がもしも本物だったら、危ないと思った。





to be continued...



(07/10/07)
続きはまたまた考え中です。
KIDさんパートが短い。てかあんたが会いに行かなきゃ話しが進まないんだけどッ