「もう・・・止めるから」
決死の思いで口にした言葉だった。これ以上名探偵に近付いて、鬱陶しいやつと思われたくなかった。だから。
「ふざけんなよてめェ・・・ッ」
なぜ彼がこんなに怒っているのか理解できない。
だって、「偶然」再会して、浮かれて、迷惑かけたのは俺の方だ。
ずっと憧れてた、普通の顔で知り合って仲良くなるってシチュエーションに調子に乗って。
こうなるのが嫌で、3か月前、彼から離れたはずなのに。
「偶然なわけねーだろ!オレがどんだけ探したと思ってんだ!」
その叫びは衝撃を持って届いた。
***********
2007/08/04
たぶん黙って姿消したとか、それを新一さんは必死で探したとか、でもコンビニでばったり出会っちゃった後とか、そんな設定で。
書いてないけど脳内ではKIDさんの視点のつもり。
いろいろ細かく考えてるとこもあるので、もしかしたら独立した話にまとめるかもしれません。
↑Re →
なぜだか、声をかけるのをためらってしまった。
木漏れ日の下で笑う彼を、月下で出会う白い怪盗に重ね合わせている自分に罪悪感を感じたのだ。
疑いは自分が探偵であるのと同じように、常に自分の中にある。友達として気の置けない間柄になっているというのに、顔を合わせるたびにどこかで探ってしまうのだ。先入観で判断してはいけないと思うのに。
しかし、どうしても重なり合うのだ。
イメージの断片、気配、仕草、口調。食い違うようでどこかぴたりとはまるパズルのように、惑わされる。
どれが本当のあいつなのか。
パズルはまだ空白が多い。
***********
2007/09/17
友達設定工藤さん。疑い(8割がた確信中)を友達に対してもってることに罪悪感と自己嫌悪です。友情を取るか、探偵をとるか、みたいな。
↑Re →
ほんの一瞬、私は動きを止めていた。
そしてそれが結果的には致命的なミスとなった。
彼らは今頃手にしたデータと共に首尾よく逃げ仰せていることだろう。
私が作った小さな隙を見逃すことなく行動した彼らはまさしく脅威だ。
私にとっても、組織にとっても。
揺ぎ無い眼差しに心が揺れた。
不屈の決意を秘めた顔に、私はつい望んでしまったのかもしれない。
あの一瞬、わずかな力を指先に込めるだけでよかったというのに、
私はそれを迷った。迷ってしまったのだ。
次こそ彼らは強力な武器を手に私たちの前に現れるだろう。
確実に私たちの息の根を止めるために。
それが、あの一瞬の間に私の望んだことなのだから。
↑Re →